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新入社員の冬のボーナス、いくら出す?|中小企業の社長が決める3つの方法と計算例

  
笑顔の新入社員
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新入社員の冬のボーナス、いくら出す?|中小企業の社長が決める3つの方法と...

結論:4月に入った新入社員の冬のボーナスは、「査定期間のうち何か月在籍したか」で按分して決めるのが基本です。 冬の査定期間がおおむね4月〜9月の会社なら、4月入社の人はほぼまるごと在籍しているため、夏のような「寸志」ではなく、先輩と同じ計算式に乗せるのが筋です。そのうえで、2年目の先輩を上回っていないかを必ず確かめます。

「今年の新人、冬のボーナスはいくらにすればいいだろう」

この時期、社長からよくいただくご相談です。夏は「寸志」で数万円を渡した。冬はどうするか。先輩と同じ月数を出すと多すぎる気がするし、寸志のままだと少なすぎる気もする。毎年、なんとなく決めてしまっている――という会社は少なくありません。

この記事では、新入社員の冬のボーナスの決め方を、3つの方法の比較と計算例で紹介します。賞与全体の配分の決め方は、別の記事で詳しく書いています。

関連記事中小企業の賞与の配分の決め方|評価の差をどうつけるか、ポイント制の計算例つきで解説等級と評価のポイントで、原資を一人ひとりに配る計算例

まず確かめたいのは「冬の査定期間」

新入社員のボーナスを考える前に、自社の賞与の査定期間(どの期間の働きを見て支給するか)を確かめます。

賞与査定期間の例4月入社の新人の在籍
夏(6〜7月支給)前年10月〜3月0か月(入社前)
冬(12月支給)4月〜9月6か月(ほぼまるごと)

夏のボーナスの査定期間は、入社前の期間です。だから夏は「寸志」になります。

一方、冬の査定期間は、4月入社の人にとっては入社してからの半年そのものです。ここが大事なところで、冬まで「寸志」のままにしていると、半年まじめに働いた新人から見れば「自分は数に入っていない」と受け取られかねません。

査定期間をはっきり決めていない会社は、まずここを決めることから始めましょう。

新入社員の冬のボーナス、3つの決め方

決め方中身よいところ気をつけたいところ
① 寸志(定額)「新人は一律○万円」と決めて渡す迷わない・計算がいらない半年働いた働きぶりが表れない。夏と冬の区別がなくなる
② 在籍月数で按分先輩と同じ計算式に、在籍月数÷査定期間の月数を掛ける先輩と同じルールで説明できる試用期間を数に入れるか決めておく必要がある
③ 新人用の定額+評価新人用の基準額を決め、評価で少し上下させる1年目の成長を見て差をつけられる新人用の評価の物差しが要る

おすすめは②の在籍按分です。先輩と同じルールで計算するので、「なぜこの額なのか」をそのまま説明できます。評価の仕組みがある会社は、②に評価の係数を掛ける形にすれば、③の良さも取り込めます。

計算例:基本給22万円の新人の場合

1社の例で計算してみます(※数字は説明のためのモデルです)。

  • 冬の賞与は「基本給 × 2か月分」の会社
  • 冬の査定期間は 4月1日〜9月30日(6か月)
  • 新人Aさん:4月入社・基本給22万円・試用期間3か月

① 寸志にした場合

一律5万円と決めていれば、Aさんは5万円です。

② 在籍月数で按分した場合

在籍月数をどう数えるかで、結果が変わります。

数え方計算Aさんの冬の賞与
試用期間も含める(6か月)22万円 × 2か月 × 6/644万円
試用期間を除く(3か月)22万円 × 2か月 × 3/622万円

同じ「按分」でも、試用期間を入れるかどうかで2倍の差が出ます。どちらが正しいということはありません。大事なのは、一定の基準(支給の考え方)に従って毎回計算することです。

③ 新人用の定額+評価にした場合

新人用の基準額を「基本給の1か月分」と決め、評価で上下させる例です。

評価係数Aさんの冬の賞与
よく成長した1.226.4万円
期待どおり1.022万円
もう少し0.817.6万円

①は5万円、②③はおおむね17〜44万円。決め方ひとつで、これだけ差が出ます。

支援先で決めた例:最初の賞与は「育成期間」として保証する

営業職の賞与を、会社の業績と本人の貢献度で決めている会社で、新入社員の扱いを社長と話し合ったことがあります。

入社して半年の営業職は、まだ自分のお客様を持っていません。業績や貢献度の物差しで測ると、どうしても低く出ます。かといって低い額を渡せば、「この会社では稼げない」と受け取られかねません。

そこで決めたのが、「入社して最初の賞与は育成期間とみなし、基本給1か月分を保証する」という基準です。2回目の賞与からは、先輩と同じ物差しで決めます。

この基準のよいところは、「新人だから特別に出す」のではなく、最初の1回だけ物差しを変える理由(育成期間)を言葉にしたことです。理由が決まっていれば、社長が毎回迷うことも、先輩に説明できなくなることもありません。

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必ずやってほしい確かめ:2年目の先輩を上回っていないか

計算が終わったら、1つ上の先輩と並べて見ることをおすすめします。

たとえば、2年目のBさん(基本給23万円)の冬の賞与が、評価の結果「23万円 × 2か月 × 係数0.8 = 36.8万円」だったとします。ここで新人のAさんを「試用期間も含めて按分」して44万円にすると、入社半年の新人が、2年目の先輩を7万円以上上回ります。

社員基本給計算冬の賞与
Bさん(2年目・評価C)23万円23万円 × 2か月 × 0.836.8万円
Aさん(新人・試用期間込みで按分)22万円22万円 × 2か月 × 6/644万円

初任給を毎年上げている会社ほど、この逆転が起きやすくなります。ルールどおりに計算した結果でも、先輩から見れば「なぜ新人のほうが多いのか」と感じるものです。

逆転が出たときの考え方は2つです。

  • 新人の側を抑える:試用期間を在籍月数から除く、新人の係数の上限を1.0にする
  • 先輩の側の理由を説明する:評価が低かった理由と、次に何をすれば上がるかを、賞与を渡す前に本人と話しておく

どちらを選ぶにしても、社長が逆転に気づいたうえで決めていることが大切です。気づかずに渡してしまうと、あとから説明に困ります。

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決めておきたい4つのルール

1. 査定期間

「冬の賞与は4月1日〜9月30日の働きを見る」のように、期間をはっきりさせます。

2. 試用期間を在籍月数に含めるか

計算例のとおり、ここで結果が大きく変わります。含める・含めないのどちらかを、基準として決めておきます。

3. 途中入社の人の扱い

新卒だけでなく、査定期間の途中で入った中途入社の人も同じ考え方で按分します。「7月入社なら3か月÷6か月」のように、新人と同じルールを使えば迷いません。

4. 1か月に満たない端数の扱い

「15日以上在籍した月は1か月と数える」など、月の途中で入社した人の数え方も決めておくと、毎回の計算がぶれません。

渡すときは、金額より「一言」が残る

新入社員にとって、冬のボーナスは会社から初めて「半年の働き」を評価してもらう場です。金額そのもの以上に、どんな言葉で渡されたかが記憶に残ります。

明細を渡すときに、社長や上司から一言添えるだけで受け止め方が変わります。

入社して半年、よく頑張ってくれました。特に、○○の仕事を一人で任せられるようになったのは大きな成長です。来年は△△ができるようになることを期待しています。

ポイントは、半年でできるようになったことを1つ具体的に挙げることと、次に期待することを1つ伝えることです。「来年はここを目指せば評価が上がる」とわかれば、ボーナスの額が先輩より少なくても、納得して受け取ってもらえます。

よくある質問

Q. 寸志でも、社会保険料や税金はかかりますか?
A. かかります。寸志も賞与として扱われるため、健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料と所得税が差し引かれます。また、支払った日から5日以内に、年金事務所へ「賞与支払届」を出す必要があります。

Q. 夏に寸志を出していない会社は、冬にまとめて多めに出すべきですか?
A. 夏の査定期間は入社前なので、夏の分を冬に上乗せする必要はありません。冬は冬の査定期間の働きで決めれば十分です。

Q. 新入社員にも評価をつけるべきですか?
A. つけたほうがよいと考えています。ただし、先輩と同じ物差しで見ると、ほとんどの新人が「期待を下回る」になってしまいます。1年目は「仕事の覚え方」「報告・連絡・相談」「挨拶や身だしなみ」など、新人に期待することに絞った物差しで見るのがおすすめです。

Q. 業績が悪く、冬のボーナスを減らす年は、新人も同じように減らしますか?
A. 原資を減らすなら、新人も先輩も同じ割合で減らすのが基本です。新人だけを減らしたり、新人だけを守ったりすると、ルールの説明がつかなくなります。減らす年の考え方と伝え方は、こちらの記事にまとめています。

関連記事業績が悪い年の賞与、どう減らしてどう伝える?|中小企業の社長が押さえたい3つの手順と伝え方の文例業績が悪い年の賞与を、減らす幅と伝える順番で決める

まとめ:新人のボーナスは「ルール」で決めれば毎年迷わない

新入社員の冬のボーナスは、次の手順で決めます。

  • 冬の査定期間を確かめる(4月入社なら、ほぼまるごと在籍している)
  • 決め方を選ぶ(おすすめは在籍月数での按分)
  • 試用期間を在籍月数に含めるかを決める
  • 2年目の先輩と並べて、逆転していないか確かめる
  • 渡すときに、半年の成長と次の期待を一言添える

一度、支給の基準を決めておけば、来年からは数字を入れるだけで決まります。そして、新人にも先輩にも「なぜこの額なのか」を説明できるようになります。

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