こんにちは、
賃金人事制度構築コンサルタントの伊東です。

前回「人事制度はあるが効果がでていない」
という方が最近多いというお話をしました。

この状態を一言でいうと
「人事制度が形骸化している」
ということです。

「なぜ人事制度が形骸化してしまうのか?」の理由として
「本来の目的を見失ってしまうこと」
「評価しづらい項目を採用している」
ということをお伝えしてきました。

今回はその続きとして、
人事制度が形骸化する理由その3
についてお話してみたいと思います。

前回もお伝えしたように
人事制度が「形骸化」するとは
以下のような状況と考えます。

「過去に作った人事制度を運用しているが
効果がでず、単なるルーティンと化している。
現場もなぜやっているか分からない。」

このように形骸化してしまう理由として
前回は「評価しづらい項目を採用している」
ということをお伝えしました。

3つ目の理由として今日お伝えしたいことは
「運用後の見直しをしていない」
ということです。

人事制度を構築するということは
一定の負荷がかかります。

通常1年くらいかけて
経営者や幹部社員が中心となって
制度を作っていくことが多いです。

その過程ではさまざまなアイデアを絞りだし、
時には意見をぶつけ合いながら
より良い制度になるように作っていきます。

そのため
制度構築が完了した際は
かなりの達成感があります。

ここでよく起こることがあります。

それは、「制度を運用していくこと」が
制度構築にも増して重要であるにも関わらず
完成がゴールになってしまうことです。

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運用後のフォローアップが大事
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そうして、制度運用が始まると
経営陣の目が人事制度から離れてしまう
というようなことが起こるんです。

もちろん、ほかの経営課題が多くある中で
ずっと人事制度のみを見る必要がある
というわけではありません。

必要なことは、
現場で実際に運用しながら
よりふさわしい項目にしていくことや

なにか評価や面談で不具合があれば
改善していくような策を講じる
必要があるということです。

例えば、ある会社で以前人事制度を
作っていたときの話ですが

言葉の端々から
「人事制度さえ作ってしまえば、自分たちの手を離れて
期待どおりの目的を達成できるだろう」

というようなことが伝わってきました。

このような場合は
コンサルティングを進める中で
「運用後も経営陣の関りが重要になる」

ということをしっかりと伝えて
意識を変えてもらい
経営陣の関与ができるような余地を
運用に組み込んでいきます。

そうしないとせっかく制度構築をした
時間や費用がすべてムダになってしまいます。

もし今人事制度が形骸化していると
感じているようでしたら
人事制度の運用ができているか確認してみてください。