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チーム力向上って、正直どこから手をつければいいのか──人事の現場で、私が「あえてやらないこと」

  
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チーム力向上って、正直どこから手をつければいいのか──人事の現場で、私が...

チーム力向上とか、人事制度とか。
いろいろ調べていると、途中でこんな気持ちになりませんか。

「言っていることは分かるけど、うちの場合どうなんだろう」
「そこまで大きな問題はない気もするし…」
「でも、このままでいいのかは少し引っかかる」

実は最近、社員数40名ほどのある建設業の会社から、
管理者層のチーム力向上について相談を受けました。

話を聞いていて印象的だったのは、経営者のこの一言です。

「大きなトラブルがあるわけじゃないんです。
でも、現場が前ほどスムーズに回っていない気がしていて」

業績は安定している。
人間関係も、特別に悪いわけではない。

それでも、
ちょっとした行き違いが増えている。
確認不足が後工程で響く場面がある。

こうした言葉にしづらい違和感を、
経営者自身が強く感じていました。

私は、この違和感、かなり大事なサインだと思っています。

チーム力向上がうまくいかないとき、まず考えがちなこと

こうした相談を受けると、
多くの会社で最初に出てくるのは、だいたいこのあたりです。

「報連相のルールを、もう少し整理した方がいいですかね」
「管理者の意識の問題でしょうか」
「会議や打ち合わせ、足りてないですかね」

正直、どれも間違いではありません。
実際、その建設業の会社でも、これまでにいくつか取り組みはしてきたそうです。

ただ、経営者はこうも言っていました。

「やった直後は少し良くなるんですけど、
しばらくすると、元に戻ってしまって」

この話、かなりよく聞きます。

問題は、やり方そのものよりも、
どこから手をつけるかなんですよね。

管理者のチーム力向上支援で、私が最初に決めていること

私は、管理者のチーム力向上や人事支援に入るとき、
必ず最初に決めていることがあります。

それは、「これはやらない」と先に決めることです。

いきなり正解を出さない。
「意識を変えましょう」と言わない。
管理を強めることから入らない。

正直、「それで本当に大丈夫ですか?」と聞かれることもあります。

でも、長く効く変化を残したいなら、
ここは外せないと感じています。

正解を外から入れると、現場は一度は動く

外部から「これをやりましょう」と入れると、
現場は一度は動きます。

ただ、その動きは、
「自分たちで決めたからやる」ではなく、
「言われたからやる」になりがちです。

建設業の現場は、忙しさや突発対応も多いですよね。

そうなると、
忙しい時期に後回しになる。
現場状況が変わると対応できない。
また次の打ち手を探し始める。

これは、現場や管理者が悪いわけではありません。
そうなりやすい設計になっているだけです。

だから私は、あえて「考える余地」を残すようにしています。

「意識を変えよう」の前に、必ず見てほしいこと

経営者から、こんな言葉も出ていました。

「結局、管理者の意識の問題ですかね」

この感覚も、よく分かります。
ただ、私はここは少し立ち止まります。

意識って、言われて変わるものじゃないんですよね。

現場の管理者や社員が見ているのは、
報告したとき、どう扱われたか。
トラブルを伝えたとき、責められなかったか。
声を上げた人が、結果的に損をしていないか。

こうした日々の関わり方です。

意識は、その積み重ねの結果として、後から変わっていきます。

その建設業の現場で、私がやらなかったこと

今回の支援でも、私がやらなかったことがあります。

強めの指導で引き締めること。
ルールを一気に細かくすること。
管理項目を増やすこと。

代わりにやったのは、
管理者同士で現状を整理する時間をつくることでした。

どこで情報が止まりやすいか。
何が言いづらくなっているか。
どんな関わり方なら続けられそうか。

ここを、じっくり話してもらいました。

出てきたのは、正直かなり地味な取り組み

話し合いの中で出てきたのは、

朝一番に、ほんの数分だけ状況を共有する時間をつくる。
作業が終わったあとに、「気づいたこと」を一言だけ残す。
言いにくいことは、直接ではなく紙やメモで共有する。

正直、「もっと派手なことをやるのかと思っていました」と
笑われたくらいです。

でも、
「これなら現場でもできそうですね」
「管理者の負担も大きくなさそうですね」

そんな声が自然に出てきました。

大事なのは、これを私が決めていないという点です。
私の役割は、現実的かどうかを整理することだけでした。

少しずつですが、確実に変わってきたこと

取り組みを始めて、約3か月。
劇的な変化が起きたわけではありません。
報連相が完璧になったわけでもありません。

ただ、
声をかける回数が増えた。
管理者同士で確認する場面が増えた。
小さな違和感を、その場で共有するようになった。

ある管理者が、
「最近、現場の空気が少し柔らかくなった気がします」
と話していたのが印象的でした。

これは、制度を入れ替えた成果ではありません。
関わり方が変わった結果です。

チーム力は「整える」より「育てる」もの

チーム力は、一度整えたら終わりではありません。
建設業の現場は、人も案件も、状況も変わります。

だから私は、完成形を作る支援はしていません。

関わり方を、自分たちで見直し続けられる状態をつくる。
それが、管理者のチーム力向上を支援するときに
一番大事にしていることです。

もし、今こんな感覚があるなら

大きな問題はないが、噛み合っていない気がする。
管理を強める方向に、少し違和感がある。
人事制度やルールだけでは限界を感じている。

その感覚、たぶん間違っていません。

今すぐ何かを決めなくても大丈夫です。
売り込まれる場でもありません。

「いま、何が引っかかっているのか」
それを整理するだけでも、見えるものはあります。

この進め方や考え方が、自社に合うかどうか。
その判断材料として、このブログを使ってもらえたら嬉しいです。

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